販路開拓で初心者でもわかる商圏分析の仕方(6)

今回はこれまでの情報を基に、競合を踏まえた売上見込みの算定の方法をご案内します。
そこで、今回の目次はこちらになります。

(5)競合を踏まえた商圏分析で売上見込を算定する方法

なお、前回までの記事は以下になります。
必要でしたらご覧ください。
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(5)競合を踏まえた商圏分析で売上見込を算定する方法
競合との商圏の重なりが、実際の商圏分析でどのように影響するのかは非常に難しい論点です。
実際に本書の読者の方々も、悩まされる部分では無いかと思います。
商圏分析の場面では、多くの方が、「競合により商圏の顧客が奪われる」と口にされることが多いです。
これは局面にあっては正解だと言えます。例えばあなたがエステ・リラクゼーション施設を営んでいて、すぐそばに同業店があったとします。商圏の顧客人数が仮に100人だとした場合、1/2の確立で御客を分け合うとイメージすることは自然のことだと言えます。仮にすぐそばに同業店が存在せず、あなたのお店だけであったならば、100人の顧客をつかみ取ることができるかもしれないからです。

しかしながら、実際には、そんなにうまく事が運びません。
エステ・リラクゼーション施設の他に、代替となるサービスを提供しているところは、温泉施設をはじめ沢山存在するでしょう。
結果、「癒されたい」「美しくなりたい」「健康でありたい」と言ったニーズを充足するために、そもそもエステ・リラクゼーション施設を選択するかは、定かではないからです。

さて、温泉街をイメージしてください。寂れた温泉街と活況のある温泉街、どちらに、あなたなら観光で訪れたいと思いますか。おそらく多くの方が後者だと回答するはずです。多くの温泉旅館や日帰り温泉が軒を連ねる温泉街の方が来街者が多いものです。

一方、寂れた温泉街では、軒を連ねることができず単独でポツンポツンと温泉旅館や日帰り温泉が存在します。ただ、そのような温泉街に人は集まりません。入浴できる温泉が軒を連ねるほど、お客様は「あそこに行けば、何かしら満たされる」「あそこに行けば、楽しそう」「あそこに行けば問題ない」と連想するもので、その結果、来街者は増えていくものなのです。

つまり、先ほどのエステ・リラクゼーション施設でも単独では、「あそこにエステがあったのか?」と認知すらされないかもしれませんが、複数のお店が軒を連ねることで、「あそこなら何かしら癒される施設があったな!」と認知されるものなのです。またエステ・リラクゼーション施設以外にも、日帰り温泉、鍼灸院やマッサージ店、理美容等々、「癒されたい」「美しくなりたい」「健康でありたい」という視点で顧客ニーズを検討すれば、代替となる競合は「膨れ上がる」ものです。しかしながら、「あそこに行けば、癒されるには、困らない!」と思うようになり、商圏の顧客数は増えていくものです。

以上のように、競合の存在で、商圏は一般的に活性化し増幅するもので、この視点を相乗商圏と言ったりします。ですから、先のエステ・リラクゼーション施設の場合、あなたのお店の商圏人口が仮に100人だったとして、近隣に競合店が存在すれば、その商圏人口は、例えば120人に増幅したりするものです。
ただし、ここで注意が必要です。その増幅した120人が、そのままあなたのお店の顧客にはならないと言うことです。「癒しを目指す顧客数が100人から120人と2割増加しただけのこと」、この視点を忘れてはなりません。つまり仮に1/2の割合で集客できたとしたら、50人が60人になっただけのことで、あなたのお店にとっては10人多く、お客様が来店する可能性が高まったということなのです。

次に商圏人口がどのように増える可能性が高まるのかをシミュレーションする仕方を紹介します。例えば、あなたのエステ・リラクゼーション施設を取り巻く環境が下表の状況であったと仮定しましょう。
久保正英 中小企業診断士 飲食店 食品.jpg

あなたの競合と考えるお店や事業所と70%の商圏が重なっていると仮定しています。その上で以下の表のように思考し競合の影響度を推定していきます。
久保正英 中小企業診断士 飲食店 食品2.jpg
久保正英 中小企業診断士 飲食店 食品3.jpg
久保正英 中小企業診断士 飲食店 食品4.jpg

結局のところ、この事例での商圏見込売上は次のように考えることになります。

見込売上=商圏内人口(または世帯数)×1人あたり消費額(または世帯あたり消費額)

見込売上=7400人×エステ・リラクゼーション1人あたり433円=3,204,200円

==以上まで==
いかがでしょうか。
次回は以下の内容について紹介していきますね。

6.実際商圏の設定(実査による商圏の設定) と売上見込の算定
(1)実査書と集計
(2)集計結果を踏まえた売上見込の算定
・売上高比較法
・重回帰分析法

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今回のキーワード:商圏分析,販売促進,商品開発,集客,食品,広告宣伝,久保正英,中小企業診断士,食の集客と商品開発


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==久保正英プロフィール==
≪一般社団法人エコ食品健究会 代表理事 / 経済産業省登録 中小企業診断士≫
加工食品企業や飲食店のマーケティング戦略立案と実行支援(商品・販路等)を直近5年で63社に実施。個人や小規模事業者の支援は専門家派遣事業も含めて直近5年では350社(当事務所スタッフ含む)にのぼる。
応援されて集客(応援客獲得の販促や商品化)できる仕組み(売上を獲得する仕組み)が好評で、ロッテ・湖池屋・カルビー・イトーヨーカ堂・明治製菓・三河屋製菓、カネタツーワン、ユニバース、ヤマザワ、平和堂、天満屋ストア、サミット、日生協等の支援実績を公表している。
≪主な委員歴≫
『農水産物の環境情報表 示の在り方検討会(農林水産省2014年~)』
『CO²の見える化 消費財分科会(環境省~2013年)』
『小規模事業者支援人材育成支援事業」に係る平成30年度 事業推進委員会(全国商工会連合会・中小企業庁)』
≪主な受賞歴≫
2016年 中小企業庁長官賞受賞(中小企業経営診断シンポジウム)
→中小企業診断士 久保正英の中小企業庁 長官賞受賞論文はこちらへ⇒クリック
2013年 中小企業診断協会 会長賞(中小企業経営診断シンポジウム)
2012年 フード・アクション・ニッポン販売促進・消費促進部門 入賞(社)エコ食品健究会)
≪主な著書≫
「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ(同文館出版)
飲・食企業の的を外さない商品開発(カナリア書房)
著書についてはこちらへ(1冊目クリック)(2冊目クリック

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もう一つブログやってます(こちらは柔らかい記事です 笑⇒こちら

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