資金繰りに困らないために読む・困ったときの対処法(小規模な飲食・食品加工・小売店向け)

やはり、支援に入る際、支援に入るからには売上獲得に苦戦しているのですが
結果の症状として「資金繰りに行き詰まる」場面に出くわすことが多いです。

そこで、資金繰りに困らないために読んでほしい!
そのような意図で、「困ったときの対処法」を以下に整理してみよと思います。
あらかじめ伝えておきますが、あくまで小規模な飲食・食品加工・小売店向けですので・・
あしからず。

==以下==
①日々の資金繰り能力を高める
 そもそも、日々、月々の資金繰り能力を高めることがポイントです。それは、後日に別途書きます「支払い管理の仕方」に譲りますね。

②過剰在庫(余剰在庫)を削減する
 過剰在庫(余剰在庫)を減らすことも資金繰りを楽にします。仕入れた商品がいつまでも店頭やバックヤードに残っていたら、現金回収も滞ってしまいます。また売れないがために、在庫を処分するようでは、廃棄コストや、価格販促による値差補填のような費用がかさみます。これは利益率低下に直結します。
 これも、後日書きます「適切な在庫管理と仕入の仕方」に詳しく説明しますね。

③リース・レンタルの活用も視野に入れる
 リース・レンタルとは、機械類の長期賃貸契約による賃貸(レンタル)のことを指します。例えば、多くの事業所で目にする「コピー機やコピー複合機」ですが、購入するという選択肢もあります。しかしながらリース・レンタルで、毎月リース料金を支払ってレンタルするリース契約も可能です。また、配達用の社用車にしても、購入する選択肢とリース・レンタルする選択肢があることを理解してください。リース・レンタル契約が実現できれば、概ね、資金繰りの改善に役立ちます。購入すると資産として貸借対照表に計上しなければなりません。その上で毎年、減価償却する必要があります。1年目、2年目、3年目、4年目、5年目・・と償却期間中に渡り、経費を損益計算書に計上するわけですが、時間が経過するごとに償却額は下がっていくものです。リース契約であれば、リース料は一定ですので、1年目、2年目、3年目、4年目、5年目・・と、毎年同じ費用を計上することになります。資産にしてしまうと(購入してしまうと)、得られた売上に対して適正なコストではない減価償却費で利益を計算しなければならないので、その商品やサービスが持っている本来の利益率が見えにくくなってしまいます。
 資金繰り改善においては、商品毎やサービス毎の利益率、しいては事業全体の利益率は、非常に重要です。適正な利益が出ていなければ、そもそも手元現金を少ししか残せないからです。また、貸借対照表に計上される資産ではなく、損益計算書に計上する経費になりますので、貸借対照表は小さく、スリム化できることになります。結果、総資産経常利益率等は上昇することになります。これは、パン屋さん等の設備産業においては、大切なことです。金融機関は設備が必要な産業形態には、必ずチェックが入るからです。
 つまり、貸借対照表のスリム化は、金融機関からの資金調達をスムーズにする効果が見込まれるのです。

④資産の売却(セール&リースバック等の活用)
 保有している資産を、リース会社に売却して、その資産をそのままリース契約で借りることを指します。会社の資金繰りが悪い時は、検討してもよいものです。売却することで手元現金を増やすことができ、資金繰りの改善に貢献します。

⑤売掛金未回収の回避(入金管理)
 当たり前のことですが、「回収すべきものを回収しているか?」も資金繰りには大きな影響があります。そのため、請求した金額が決まった期日に入金を確認できているか、支払いのない売掛先には督促を徹底する、与信を徹底する等を心掛けましょう。

⑥先に支払いが発生する売上を減らす
「先に支払いが発生する売上を減らす」とは、「受注してから、コストが発生する流れ」を獲得するという言葉に置き換えれます。例えば、食品加工業で商品を売ってあるいている事業者であれば、営業代行会社や販売代理店を募集することがあたります。
 5000円の原価が掛かる商品を販売する場合、自社保有のトラックで自社で採用したアルバイトで、納品先をくまなく回って納品していませんか。この場合、アルバイト代ありきで商品の販売を見込むことになります。つまり、人件費が先に発生すると言うことです。
事業の資金繰りが上手く行っている場合は、これは問題になりません。しかしながら、事業の資金繰りが厳しいのなら、迷わず、世に溢れる営業代行会社にお願いしてみるのも一考です。この場合なら、営業代行会社に卸値を設定してあげれば、勝手に販売してきてくれます。
これは販売代理店でも同じことです。ただし、良い関係性が構築できる販売代理店に出逢うのは至難の業でしょうから、まずは営業代行会社になるかと思います。

⑦借り換えの準備を常々しておく
 ポイントは、現在借入が有る場合、現在の金利よりも安い金利での調達方法や金融機関を探しておくことです。銀行等の金融機関の担当者が営業に来てくれることもありますが、基本的にはこちらから探しに行くことが大切です。

⑧節税・税金対策をしないこと
 世の中には、様々な節税方法があります。しかしながらそのうち9割超の節税方法は直接的な減税ではなく、税金の繰延がほとんどです。そのうち、多くが「何かしらの経費を作って、利益を圧縮するもの」です。つまり課税対象である利益を減らすということです。
 しかしながら、そもそも考えてみてください。経費を作るということは、支出を伴うということです。つまり、資金繰りを楽にするという誤解が世に溢れていることに注意してください。節税は税金の繰延べ対策には貢献します。しかしながら、資金繰りを悪化する要因にもなりうるのです。

⑨社員預金制度を構築する
 大企業に存在する「社内預金制度」というものを皆さんの事業者でも導入うできることを知ってください。社内預金制度は、働いている方が働いている事業所に預金をする制度のことです。例えば、ビジネスローンなどで資金調達すれば、金利は10.0%~15.0%は間違いなく掛かります。銀行から調達しても0.1~4%程度は掛かるでしょう。
 社内預金をしてもらっておけば、不測の事態の資金繰りに大きく活用可能です(間違いなく埋め合わせは必要になりますが)。働いている方が銀行に定期預金をしても、せいぜい金利0.1%程度ではないでしょうか。そうであれば、社内預金制度で金利をこれ以上に設定すれば、想像より楽に預金が集まります。
 制度構築手順としては、まずは労使協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出ます。
労使協定は労働組合か、それに代わる労働者代表と行うこととなっています。労使協定で預金者の範囲や預入限度額、預金の利率および利子の計算方法、預金の保全方法などを定めるのです。その上で、貯蓄金の管理に関する規定を作成し、これを働いている方に周知徹底すれば良いのです。

⑩業績評価を利益重視に
 資金を手元に残すには、売上よりも利益を重視しなければなりません。従って売上を評価の軸にしている場合は、資金繰りには悪影響です。「売上を上げる」に焦点をあてた営業や販売活動に傾斜されてしまうと、営業コストが先に掛かってしまいます。売上を上げるために広告宣伝費を使う、売上をあげるために移動交通費がかさむ等です。これを利益重視に変えれば、他に工夫がわくものです。そのような人材育成が、資金繰りを楽にする1つのポイントです。

⑪適正な人材配置
 セクション毎の売上や利益、商品やサービス毎の売上や利益に見合った人員配置かを今一度見直してください。人を掛けることで、より利益が出せたり、人を減らすことで利益が増えるようだと、手元現金が残すことが、まだまだ可能です。資金繰りを楽にする手許現金を増やすには「利益」が重要であることを今一度念頭において取り組みましょう。

⑫売掛金回収の早期化
 売上先からの支払いサイト(支払いまでの期間)を早めてもらう交渉をする、もし手形が有る場合は、振込みに変更してもらう交渉をする等です。結果、手元現金が多少なりとも増え、資金繰りが楽になります。「取引先の支払い期間にあわせないと受注できない・・」等々、諸事情はわかります。しかしながら、仮に10件のうち1件改善するだけでも、資金繰りが楽になったことを実感できるものです。新規の場合は、現状より早い回収期間を設定し請求することが可能な場合も多いです。また、手形での支払いの場合は、資金が回収できるまで長ければ180日というものも珍しくありません。手形支払いも、通常の銀行振込みでの請求フローに変更してもらえるように交渉すべきです。

⑬前入金が実現できないかを検討する
 商品・サービスの販売や取引条件を「前入金」前提のものに変えることも、資金繰りを楽にします。とくに新規顧客との場合は、可能なことも多いです。先に入金があれば「支払いは、入金後」というサイクルを構築することになるため、資金繰りは改善するどころか、どれだけ支払いが増えても、資金繰りが悪化することはありません。これが最良の方法だと言えます。しかしながら、そんなに容易な話ではありません。そこで前入金のメリットを打ち出す販促等を合わせて実施するのです。例えば、英会話の月謝が月々10,000円で1年で120,000円の場合、前払いで110,000円とする等、損が出ず利益が出る範囲で割引の特典を用意する等の工夫も可能です。
仮に資金繰りが既に悪化しているのであれば、前入金前提の商品やサービスをテストマーケティングをしてみる気概も必要です。

⑭支払いまでの期間を延ばす
 既存の外注先や仕入れ先等への支払いを可能な限り延ばす交渉をすることも大切です。
あるいは、新規の仕入れ先へは、はじめから支払い条件が遅い条件で契約するのです。かなり資金繰りが楽になります。交渉ごとのため、既存の支払先に全て成り立つ話ではありませんが、仮に10社のうち1社でも改善できれば、非常に楽な資金繰りを実現できるはずです。交渉が困難な場合は、何かしら対価を用意することも一考です。サービスの場合は、代替えで「オプションのサービスを提供する」「支払額を少し上乗せする等々」です。資金繰りに困っていない事業者への支払いは、労せずに交渉が成立することも多々あります。

⑮経費支払いを法人カードに変更
 文房具等の事務用消耗品費、PC、机等のオフィス家具、電話代金等の通信費など、経費支払いを全て法人カードに集約することも、資金繰りを楽にします。具体的には、カードの支払いサイトを末締め翌々5日口座引き落とし、20日締め翌々末引き落とし等にすることです。これは、④の支払いまでの期間を延ばす方法と同じ考え方です。
進め方は、自らの事業の経費支払いの支払方法を全て洗い出し、その上で法人カード払いにした方が、支払いまでの期間が延ばせる経費項目を洗い出すことです。また、そもそも、支払いまでの猶予が長い法人カードを作ることも、重要になります。

⑯本当に支払いに困ったときの対処法
 事業を継続する中で、支払いに困った経験がある方は少なくないはずです。「本当に首が回らない」といった状況に追い込まれることは無いと思いますが、実際に発生した場合は、次の視点で支払いの優先度をつけ、支払えるところから支払うようにしてください。

優先度①:日常の商売やサービス提供で必要な原材料や水光熱費など、関係性が途切れると売上に影響を即座にきたすもの。
優先度②:種々の税金(遅延利息が後程、事業の資金繰りに多大な影響を及ぼします)

 もし、金融機関に借入等の返済がある場合は、可能な限り事情を話して、リスケを申込みましょう。何ら恥ずかしいことでありません。お客様のために「事業を継続することが大切!」であるからこその判断だと理解してください。

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==久保正英プロフィール==
≪一般社団法人エコ食品健究会 代表理事 / 経済産業省登録 中小企業診断士≫
加工食品企業や飲食店のマーケティング戦略立案と実行支援(商品・販路等)を直近5年で63社に実施。個人や小規模事業者の支援は専門家派遣事業も含めて直近5年では350社(当事務所スタッフ含む)にのぼる。
応援されて集客(応援客獲得の販促や商品化)できる仕組み(売上を獲得する仕組み)が好評で、ロッテ・湖池屋・カルビー・イトーヨーカ堂・明治製菓・三河屋製菓、カネタツーワン、ユニバース、ヤマザワ、平和堂、天満屋ストア、サミット、日生協等の支援実績を公表している。
≪主な委員歴≫
『農水産物の環境情報表 示の在り方検討会(農林水産省2014年~)』
『CO²の見える化 消費財分科会(環境省~2013年)』
≪主な受賞歴≫
2016年 中小企業庁長官賞受賞(中小企業経営診断シンポジウム)
→中小企業診断士 久保正英の中小企業庁 長官賞受賞論文はこちらへ⇒クリック
2013年 中小企業診断協会 会長賞(中小企業経営診断シンポジウム)
2012年 フード・アクション・ニッポン販売促進・消費促進部門 入賞(社)エコ食品健究会)
≪主な著書≫
「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ(同文館出版)
飲・食企業の的を外さない商品開発(カナリア書房)
著書についてはこちらへ(1冊目クリック)(2冊目クリック

≪ご案内≫
もう一つブログやってます(こちらは柔らかい記事です 笑⇒こちら

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