飲食や食品事業者の雇用管理の手順や仕方

原則、売上に繋がる支援を得意として活動していますので、
今回の記事タイトルにあるような支援は積極的に行っていません。

しかしね(笑)

小規模、中小の飲食や食品加工事業者の支援では、対応しなければならないことも多いので、やっぱり書いておこうと思ったのです。

では以下に雇用管理の仕方について紹介します。

==以下==
①雇用管理とは
 雇用管理とは、働く方々の「働きやすさ」「働きがい」を生み出すように取り組むことを指します。

②雇用管理で具体的に実施すべきこと
 厚生労働省の調査では、以下を施している事業者で「働きやすい」「働きがい」を実感しているとする社員やアルバイト、パートの方々が多いことがわかっています。従って、以下の視点に取組むことが最善だと言えます。
≪教育・育成≫
・希望に応じ、特定のスキルや知識を学べる研修
・上司以外の先輩担当者や外部専門家に相談できる仕組み
・計画的なOJT受講とその成果のチェックの実施
・職歴や社歴、役職、責任や階層別の研修の存在
・社内や事業場内での自主的勉強会開催の機運創り
≪経営への参画意識の醸成≫
・提案制度を取り入れるなど意見の吸い上げの場の提供
・従業員の意見が会社の経営や運営に反映される仕組み
・朝礼や社員全体会議を通じた会社のビジョンの共有
・会社や事業場の経営情報の開示と共有
≪適切な業務内容と業務量≫
・本人の希望ができるだけ尊重される業務への配置
・仕事の追われ具合や閑散度を適時確認し分散化や平準化する仕組み
・働く方々に「与えた業務や仕事」の意義や重要性についての説明
≪評価≫
・評価結果とその理由の本人へのフィードバックと説明
≪働きやすい職場環境≫
・事務場や作業場が綺麗に整理整頓され清潔になるよう5S活動
(5S活動についてはアクションカード㉓5S活動の進め方を参照)
≪健康への配慮≫
・休日や休憩時間の適切な確保
・健康診断等の積極的な取組み


③賃金アップだけが雇用管理のポイントでは無い
 ②で御理解いただける通り、賃金を「世間より沢山提供」すれば、「働きやすい」や「働きがい」が向上するものではありません。それよりも。働いている方々の立場に可能な限り寄り添い、②で提示した施策を具現化することが大切なのです。

④雇用管理のスタートは労働条件通知書
社員であっても、アルバイトやパートであっても労働条件通知書は、働いている方々に提供しましょう。まだ提供していない場合は、今からでも遅くありません。雇用状況を雇用者とお互いに認識し、その認識に基づいて、管理する姿勢を見せることが事象主に求められます。労働条件通知書の内容は以下の記載があれば充足できます。
・労働契約の期間の記載
・契約期間の定めがある場合、更新があるかの記載(更新する場合の判断や基準など)
・就業や配属先の場所の記載
・仕事や業務内容の記載
・労働時間(始業・終業の時刻、休憩時間、残業の有無、休日・休暇、シフト等)の記載
・賃金(額、賃金決定方法や計算方法、支払の方法、支払日)の記載
・退職・解雇に関する手続きや事業主の考えについて記載
また、雇用者とのトラブル時にも、この記載が役立ちますので、ぜひ活用しましょう。

⑤シフトや時間勤務は記録を必ず行う
アルバイト等、勤務時間がマチマチであれば必ず、始業・終業、休憩の時刻を記録するようにします。その際、業務のための研修、始業・終業予定時刻の前後に生じる準備や片付け等も労働時間に計上することが求められます。

⑥業務に支障をきたす遅刻や欠勤への考え方
 遅刻や欠勤がつづく雇用者が居た場合、ペナルティとして「損害賠償額」を設定し請求することは法的に認められません。仮に遅刻や欠勤に対して損害賠償額を就業規則等にあらかじめ規定していても、認められませんし、ましてや、採用時に説明し合意を得ていても無効です。労働基準法16条で「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定められているのです。
 業務に支障がないよう雇用管理に努めるのが事業主の役目です。急な欠勤に伴い代理を見つけることは、そもそも会社側の責任で行わなければなりません。従って、働いている方々が個々が、責任をとる必要など無いのです。
 しかしながら、働いている方が、遅刻や欠勤を「目に余るほど」頻繁に繰り返す場合には、「懲戒処分」で減給をすることができます。この場合は、悪質性を慎重に判断した上で、労働基準法の定める範囲で処分する必要があります。なお、労働基準法91条では、「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」とあることを忘れてはなりません。

⑦雇用管理は人件費管理でもある
 雇用者は会社の人件費に計上されます。製造に携わる方は製造原価に計上されますし、
営業や販売に携わる方は、販売管理費に計上されます。従って、雇用を上手に管理することが、人件費管理のポイントになります。管理のポイントは主に以下の通りですので、
皆さんの事業に照らし合わせて、今一度、具現化策を検討してみることをオススメします。
≪業務量と人員は整合が取れているか≫
→業務量が人員の割に少ない場合、業務量が過多の別の業務を手伝ってもらう
→業務量が人員の割に少ない場合、有給休暇等があれば消化してもらう
→業務量が多く人手が足りない場合、業務量が少なく人手を余しているところから応援してもらう
→業務量が少なく人手が余す場合、売上や利益に繋がる営業や販売の業に注力してもらう
≪要員計画を立てる≫
→3年後までの事業計画を立て、その事業計画に添った雇用人数や人件費を順守するようにします。事業計画の書き方については近日記事で紹介したいと思っています。

==以上==
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==久保正英プロフィール==
≪一般社団法人エコ食品健究会 代表理事 / 経済産業省登録 中小企業診断士≫
加工食品企業や飲食店のマーケティング戦略立案と実行支援(商品・販路等)を直近5年で63社に実施。個人や小規模事業者の支援は専門家派遣事業も含めて直近5年では350社(当事務所スタッフ含む)にのぼる。
応援されて集客(応援客獲得の販促や商品化)できる仕組み(売上を獲得する仕組み)が好評で、ロッテ・湖池屋・カルビー・イトーヨーカ堂・明治製菓・三河屋製菓、カネタツーワン、ユニバース、ヤマザワ、平和堂、天満屋ストア、サミット、日生協等の支援実績を公表している。
≪主な委員歴≫
『農水産物の環境情報表 示の在り方検討会(農林水産省2014年~)』
『CO²の見える化 消費財分科会(環境省~2013年)』
≪主な受賞歴≫
2016年 中小企業庁長官賞受賞(中小企業経営診断シンポジウム)
→中小企業診断士 久保正英の中小企業庁 長官賞受賞論文はこちらへ⇒クリック
2013年 中小企業診断協会 会長賞(中小企業経営診断シンポジウム)
2012年 フード・アクション・ニッポン販売促進・消費促進部門 入賞(社)エコ食品健究会)
≪主な著書≫
「お客様が応援したくなる飲食店」になる7つのステップ(同文館出版)
飲・食企業の的を外さない商品開発(カナリア書房)
著書についてはこちらへ(1冊目クリック)(2冊目クリック

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